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魔術集団の構築とエグレゴレ [魔術]

 この本は大半の読者には不要な本である。
 西洋魔術を学習し、それも複数の仲間とグループを作ろうとする魔術師(の卵)が読む本である。つまり、きわめてレアな魔術集団を作るときの留意事項について述べた著作なのだ。通底するテーマはエグレゴレ(集合精神)である。ファレルはオカルト的な見解にベースを置きつつ、現代の集団心理学(社会心理学)等の文献を引用しながら、集合精神が組織に及ぼす影響を語る。
 非常に興味深いのは、20世紀後半から多数成立した実在の魔術団体を例に引きながら解説している点である。
 たとえば、教育的集団(Teaching Order)と友愛団(Fraternity)の分類では、前者の代表は「黄金の夜明け」団外陣であり、後者は「円卓」団など、そして後日、その中間に位置する「聖域の建立者」団(BOTA)などの日曜学校的団体が生まれた。等の分類は、通好みで面白い。
 一方、エグレゴレの特性を知るための著作として捉えても良い。わが師父WEBがエグレゴレを紹介してから、魔術の集合精神の働きは良く知られるようになった。それは不可思議な働きをするので、その力学を把握することは、一定以上の人数と精神密度を獲得した魔術集団には不可欠である。
 総じて真剣に魔術を学習する者には必読の書であると言える。

Gathering the Magic: Creating 21st Century Esoteric Groups

Gathering the Magic: Creating 21st Century Esoteric Groups




秋分儀式終了 Completed Autumn Equinox Ceremony [魔術]

団の秋分儀式(AE13A)終了!お疲れ様でした。
アッコンのイサクの技法(光の上昇下降ハムシャカー)を適用しました。
非常に実践的でしたが、一方で説明不足、準備不足も否めません。
要、検討!反省!5th_view_to_Keter.jpg4th_Zivvgim_Ascend_by_RVM.jpg
Completed the Autamn Equinox Ceremony, AE13A.
The process of Hamuschaker by the Isaac of Acre was practicable, but some fraters commented need more explanations and pre-training.

虚空の魔術、その土地へのこだわり [魔術]


Magical Knowledge Book II - The Initiate

Magical Knowledge Book II - The Initiate



 マッカーシー女史の『魔術的知識』第2巻は、秘儀参入者のトレーニングを描くものだ。古代神を呼び覚ます手段と、その陥穽を描きつつ、一方で英国人らしく幼少時のジョシー嬢ちゃんの妖精との邂逅も描写する。「黄金の夜明け」団の規格化されたカバラ魔術が地球のどこでも同じ公式を用いる(南北で周行の方向は異なるが)のに対して、マッカーシーは土地と、その神話にこだわる。彼女は「内光協会(SIL)」を興した姉妹DNFことフォーチュンを高く評価しており、より強い魔術的アライメントを要求する。イニシェイト編は全3巻中で一番分厚い苦難の書である。魔術に実効を求める向きには必読である。

女性シャーマンの人類学者 [魔術]


The Woman in the Shaman's Body: Reclaiming the Feminine in Religion and Medicine

The Woman in the Shaman's Body: Reclaiming the Feminine in Religion and Medicine



一昔前まではシャーマンはすべて男性だという思いこみがあった。まじないを行う女性はすべて魔女であり、シャーマンとは呼ばれなかった。しかし、現在、女性のシャーマンは多数存在する。著者の母方の祖母はシャーマンであり、著者自身が幼少時に大病を患ったとき、伝統医療でその進行を止めた。長じて、著者は人類学者になり、同じ学問を追究する男性と結婚する。しかし、シャーマンの伝統が彼女を追いかけてきた。彼女はイニシエーションを受け南米の女性シャーマンとなる。これはシャーマンの家系に生まれ、人類学者として自らを研究対象とした女性の物語である。学術書ではあるが、そのフィールドワークにおける参与観察はきわめてクリアで劇的である。グリーンウッド博士が英国のカヴンや魔術団体で実践した研究を、バーバラ・テッドロック博士は南米のシャーマンの仲間たちとともに行ったのである。新時代の文化人類学研究、シャーマン研究の良著である。

既存の魔術体系の全否定と困難なビジョナリー魔術の径 [魔術]


Magical Knowledge Book I Foundations/ The Lone Practitioner

Magical Knowledge Book I Foundations/ The Lone Practitioner



マッカーシー女史は、既存の著名な魔術団体の殆どが本質を見失っていると批判する。単に物珍しい魔術知識を並べただけの「駄菓子屋の魔術」や、週末のワークショップ参加と色彩豊かな法衣で有能な入門者を幻惑し、無意味な掟で縛るGD系魔術団体が横行し、本来はアデプトになれたはずの人材が魔術に失望し、去っていく。彼女はゲニウス・ロキと、古代神の復活を企図し、「虚空」と「深淵」を魔術の原点とするビジョナリー魔術の体系を創造した。序文を書いたギルバート老もべた褒めである。その是非はともかく、近来ない爽快な書物である(秋端勉)。

人類学者グリーンウッドの魔術研究処女作 [魔術]


Magic, Witchcraft and the Otherworld: An Anthropology

社会人類学の博士課程論文を元に2000年に出版されたスーザングリーンウッドの事実上の処女作(1996年にアンソロジー『魔術的宗教と現代のウィッチクラフト』に短文を掲載)である。そのとき彼女は英国のペイガンのカブンに属する魔女であった。自分と仲間たちをインフォーマントにして、アカデミアの立場と実践者の立場を融合させた希有の作品でもある。ちなみに表紙の美女は、中綴じでグレートライトの写真で麗しき素肌も見せてますがスーザンではありません。
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壺はいいものだ [古代]

 最近、中東の古典古代に流行した「魔術壺(Magic Bowls)」にはまっている。

aramaic_5_7c.jpg

 現物のかたちは、壺というよりは、鉢に近い紡錘形の先端を切り取ったような口の広い代物で、その中にびっしろとヘブル語やアラム語(ヘブル語の土俗化した言語。古代エジプトの神聖文字に対する民衆文字のようなもの。)の呪文が螺旋状に壺の内側をくまなく満たしている。
 稚拙な呪図が描かれていたりする。
 用途は色々で、主に世俗的名願望達成魔術に使用されたらしい。
 らしいというのは、なにしろ、研究書が少ない。
 最近ではナベー(ほんと、J. Naveh)さんが有名だが、かれの本はオンライン出版デジタル版で出たりして、結構難儀だ。誰かスカラーPDFをもっと使いやすくしてくれ。
 古い本は徹底して入手困難だし、かくして、密かに数冊の専門書を愛でながら囁くはめになる。
 「○○○○さま、壺はいいものです。」


 
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